-早朝血戦- 東の空が薄っすらと明るんできた頃、小さな物音で兎姫は眼を覚ました。 枕元に置いてある携帯に手を伸ばし、時計を見るとまだ6時過ぎ、朝の弱い兎姫が起きるにはまだ少し早い。 もう一眠りしようと長い睫を伏せ様としたとき、部屋の扉が静かに開いた。 「兎〜姫〜♪」 朝のジョギングに行く為、動きやすいジャージに着替えた雪那がそーっと音を立てないように入ってきたのだ。 足音を忍ばせてベットに近づいてくる雪那を、まだ眠たい兎姫は目を閉じ、無視をする。 「兎姫〜、一緒にジョギング行こうな」 横で自分にしがみ付くように寝ている鈴菜に気を使っているのか、小さな声でジョギングのお誘いがかかる、が 「嫌だ…」 即答…、朝弱いのは知ってるだろうっと薄っすらと重たい瞼を開けて睨む。 「そんな事言わんと一緒に走ろうな〜、朝の町は気持ちええで」 朝の町より、今寝ている布団の方がよっぽど気持ち良いだろうと思いながら、瞼を落とす。 「ほな、靴履きながら待ってんで〜♪」 雪那は一緒に行く気マンマンで、部屋を出て行った。 「(行かないって言ってるのに…)」 このまま放っておいて寝てしまおうと思ったとき、下の玄関から… 「兎〜姫〜!はよ行くで〜」 またもや自分を呼ぶ声…、朝からそんな大きい声で叫んで鈴菜や蓮華丸が起きたら如何してくれる!と思いながらも、布団を被り直し無視を続ける。 「兎〜姫〜!!」 煩い…、さっさと諦めて行ってくれと思いながら布団に顔を埋める。 しかし、この声で鈴菜と蓮華丸が起きてしまわないか心配でたまらない…。 こんな時間に起きられでもしたら、おそらく一緒に起きて朝の教育番組に付き合わないといけないだろう…。 大体、一人で走るのが寂しいのならわざわざ僕を誘わずに、比較的、朝起きるのが早い月に付き合ってもらえば良いじゃないか、と思いながらこのまま眠ってしまおうと思った瞬間… 「兎姫ー!はよ行こ言うてるやん!!」 あぁ、もう無理…。 流石に腹が立ったので怒鳴ってやろうと思い、ベットから体を起こした瞬間 ガッシャーン!! 「ぅっるさいなぁ!!ぼくが気持ちよく寝ているのに何だい!!?」 激しく何かが倒れる音と少し高い男の子の怒鳴り声…、もちろん自分の物ではない。 玄関で音がしたから倒れたのはおそらく傘だろう、金糸雀が何か投げたのだろうか? 「雪那!こんな朝早くから大声出して、睡眠妨害もいいとこなんだけど!!」 いやいや金糸雀、お前も良い勝負だよなどと思いながら横を見ると 「おにいたん?」 …終わった……。横では鈴菜が気持ちよさそうに伸びをしながらバッチリ起きていた。 さっそくベットから降りて、下のテレビのある部屋へ行こうと兎姫の服を引っ張る。 玄関では激しい2人の討論が繰り広げられ、それを横目に玄関を通り過ぎ、鈴菜と居間へと向かう。 この騒がしさでは蓮華丸が起きてくるのも時間の問題だろう……。 ソファに腰を下ろし居眠りかける兎姫の横で、自分でテレビを点けた鈴菜は朝のおはよう体操を楽しそうに始めていた…。 -END- |
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